こんにちは。カナダのキングストンより、DENTYUがお伝えします!
突然ですが、「英語を勉強しているけど、あとどのくらいで英会話ができるようになる?」
日本人にとって、とても気になるテーマではないでしょうか。
今回は、アメリカ外務省が発表したデータと、日本語をマスターしたカナダ人青年の実例をもとに、この問題に挑みたいと思います。
よろしければ最後までお付き合いください。
2,200時間
アメリカの外務省が発表したデータで、「アメリカ人が日本語をマスターするのに必要な勉強時間は、2,200時間」というのを聞いたことはありますか。
個人差はあるものの、約2,200時間で、日本語初心者のアメリカ人がビジネスレベル(限られた範囲)の ”Level 3 “まで力がつくそうです。
このレポートでは、「2,200時間」というのは70年以上に渡って集めたデータをもとに出された数値で、日本語は中国語やアラビア語などと並び、マスターするのが一番難しい言語に位置付けられています。
という事は、逆に私達日本人も英語を2,200時間勉強すれば、ビジネス英会話を身に付けられるだろうと考えられます。
本当だろうか?
そこでもう少し「2200時間」の中身について調べてみると、以下のことがわかりました。
・アメリカ人外交官向けのスクールでの授業
・2200時間を88週間 ⇨ 月ー金曜日に毎日5時間の授業
・それ以外に課題学習 ⇨ おそらく毎日3時間
つまりビジネスに向けての高品質な授業+自習で、どっぷり日本語環境2年間。
しかしこの「2,200時間」は海外留学をする場合には参考になるけれども、日本国内で勉強するとしたら現実的では無いと、誰でも考えるでしょう。
では一体、どのくらい必要なのでしょう。
そこでもう一つの実例をご紹介します。
ほぼ独学で日本語をマスターしたカナダ人青年の実例

とてもラッキーなことに、テニス仲間の息子さんで、日本語がペラペラな青年Harrison(ハリソン)に出会うことができました。
彼はカナダ生まれ、カナダ育ちで、英語が母国語です。
聞くところによると、彼の勉強時間はだいたい以下の通りだそうです。
[授業] 約150時間 大学で日本語のスクーリングを受講
➕
[宿題] 約150時間
➕
[独学] 約1200時間の独学
➕
読書・日本人の友人との会話・番組の視聴など1500時間
合計約3000時間とのことでした。
彼は、7年間勉強をしているとのことなので、単純に計算すると、1日1時間ちょっと。
私達日本人が日本国内で勉強する場合に、参考になる時間数ではないかと思います。
では実際、ハリソンの日本語のレベルはどのくらいなのか気になりますよね。
彼は日本語能力試験で最高位のN1レベルを取得しています。
このN1レベルはビジネスでも通用するレベルで、新聞で一般的に使われる漢字 ( 2000文字 ) が理解できるレベル。
試しに自分でもN1レベルの練習問題を解いてみたのですが、18問中2問間違えてしまいました!
日本人でも集中していないと難しいです。
でも「資格はあまり信用できない」という人もいますよね。
しかし実際に彼と何度か日本語で話をしたのですが、とても流暢で、細かいニュアンスも伝わっていました。
また、日本語のニュース番組も一緒に見たのですが、内容も理解していましたし、テロップも読んでいました。
事実、彼はカナダのキングストンにあるクイーンズ大学在学中、日本で働くことを目指して就職活動を開始。
日本語での面接や日本式の就活をくぐり抜け、見事内定。
コロナの入国規制が緩和された後、ようやく日本へ入国し、現在は某製薬会社で会社員をしています。
つまりハリソンの日本語力は、日常会話はもちろんのこと、ビジネスレベルの読解力もあるのではと思います。
実は彼は、YouTuberでもあり、日本語を勉強中の英語話者向けに「どうしたら日本語がマスターできるか」という動画を配信しています。
その中で彼は、「自分は特別記憶力がいいというわけではない」と語っています。
ハリソンの勉強時間、3000時間。
同じ人間です!
私達日本人にとって、より現実味のある勉強時間ではないでしょうか。
しかし大抵の日本人は、英語は全く知らないというわけではありません。
ということは、3,000時間より少なくても到達できそうです。
そこで次に、日本人の英語の勉強時間数について調べてみました。
日本人に必要な英語勉強時間は、あと877時間!

まず最初に、日本人の平均的な英語勉強時間(小学校〜大学まで)を調べてみました。
徳島大学の教授らによるレポートを参考にすると、学校での授業や塾通いでの勉強時間は約962時間、宿題や自主学習の勉強時間は約1161時間なのだそう。
合計、なんと2123時間。

ではこのデータをもとに、先ほどのカナダ人青年Harrisonの「3000時間説」まで、あと何時間の勉強時間が必要なのか計算してみると・・。
残り約877時間!
もし「高校の英語は忘れてしまった」「塾には通わなかった」などという場合は、自分のパターンに合わせて計算してみてください。
ただこれは単純に時間数だけを計算したもので、実際に使える英会話力を身につけるには、Harrisonの勉強方法にも目を向ける必要がありそうです。
これは、またの機会に深掘りしていきたいと思います。
外交官用語学スクールとハリソンに共通する、「毎日やる」
今回は、アメリカ外交官向けのスクールとカナダ人青年Harrisonの例を紹介してきましたが、共通しているのは、「毎日やる」ということでした。
Harrisonの話によると、N1に合格を目指して漢字力をさらにつけるため、毎日5つの漢字を覚える➕過去3日間分の漢字の復習をするといった勉強を毎日30分間、9ヶ月ちょっと続けたそうです。
やはり「毎日英語に触れる」という事がポイントなんですね。
モチベーションのキープ
英語の勉強は数年にわたるので、やる気が起きなくなることは十分想定されますよね。
ではどうしたら良いか?
モチベーションの維持のためには、「期限」と「目標レベル」を設定することをおすすめします。
例えば「英会話ができるようになったら、転職しよう」と思ったら、先に転職活動をしてみるのも一つの手です。
英語の研修に力を入れている企業や、今よりも英語を使えるシーンが身近にある企業と巡り合うかもしれません。
そのほか、私の経験を含めて、モチベーションが落ちた時にできることをいくつか挙げてみました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アメリカ外交官向けスクールと、カナダ人青年Harrisonの例をもとに、日本人がビジネス英会話ができるようになるのにどの位かかるかをまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
応援しています!
DENTYUがカナダよりレポートしました。
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